25期 北アルプス剣岳山行記  その1

 

 八月一日 静かな流れ

  リーン。大阪駅発七時三〇分「立山一号」。

  三〇〇三メートルの剣岳をめざしてこの満員列車に乗り込んだ我々はまるで新婚旅行

 にでも行くような気持ちだった。

 そこで、今日八月一日から八日までの山行を記録し、後輩たちの奮起を促したい。

  トンネルを抜けると、そこは「立山駅」だった。ここからは「ケーブル」である。しかし、

 ひどいラッシュである。(実に楽しい?)。約8分間の登りで「美女平」に到着。しかし、我々

 が行ったときには「ブス平」であった。ここから約一時間半、高原バス(田舎のおんぼろバ

 ス)にゆられて室堂まで・・・・・。

  村川先生の横に元気ハツラツピチピチした七○過ぎのおばあちゃんが座ったので、

 全員一斉に拍手を送った。(先生赤面す。)これに反して小田氏の横には、なんと絶世の

 美女が座ったのであった。小田氏の目が輝いた。一同は小田氏のテクニックをカイマ見

 ンとテ、注目ス。

 男  「立山は初めてですか?」

 美女 「・・・・・・・・・・。」

 男  「ぼくは君を見たとたんタテヤマです・・・・・。」

 この言葉のためか、それ以上進展しなかった。

  ところで、この「バスガイド」はどういうわけか「男」。全員失望と思いきや、話し方、目の

 使い方が色気タップリ。岡村氏、上林氏などは「しびれる!」と何度もうなるのであった。

  バスはやがて、天狗平、弥陀ヶ原の高原を過ぎて、標高二四〇〇メートルの室堂へ

 (ここまでは、ハイヒール、セッタでも可)。しかし、これからは山岳部の見せ所である。

 三十キロあまりのリュックを背負って、みくりが池、地獄谷のすばらしい景色を後に今日

 の幕営予定地、雷鳥沢まで約一時間のコースを歩き続けた。雷鳥沢には立山三山をバ

 ックに数十のテントが並んでいる。また、チングルマ、イワカガミなどの高山植物も咲き乱

 れ、空気もうまい。女がおれば、なおいいのだが。

  適当な場所を見つけ、テントを立て、食事の用意(ククレカレー・・・・お嫁にもらって)で

 ある。食事の時、なぜか村川先生一人はしゃいでダジャレの連発である。これが先生

 でなかったら二、三日食事をやらないところなのだが、相手は先生、実にくだらないダジャ

 レであるが、みんな今後のことを考え、愛想笑いを連発した。

  明日のことを考え、キャプテンは六時消灯という命令を下した。しかし、初夜なので、み

 んなハッスルして、各自の腕を磨いた。夜の話は映倫の検査を通過できずカットである。

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